スネオの思い出

まだ俺がフィリピンで、スクワッタ生活をしはじめたころ。友達が沢山出来た。
その中に、160センチくらいの小男がいた。会ってすぐに、俺が「スネオ」といったら一同大爆笑となり、そいつの名前はそこからスネオということになった。

俺はそのとき、フィリピンの掘っ立て小屋で毎日酒盛りをしていて、スネオもだいたい混ざっていた。あまり口数が多いわけじゃなく、黙ってのんでいる風だった。このころはタガログ語も全然話せないので、おかしな言葉ばっかり教わっていた。

そんなスネオが、最近顔を見せないので、あれ・・・?どうしたの?と聞いたら、あいつは今問題抱えてんだよねという。
まずマフィアに入ったらしい。おれの近所の男らはみんな、マフィア入りは断っていて、リンチされていたんだけど、スネオは断りきれず加入して、チンピラとしての道を歩みだしたのだ。
俺は「あっそ」といって終わった。

しばらくしてもいないので、また俺は「おい、まじでスネオどこにいったんだよ」といったら、逃亡したという。
どうしたといったら、『実は、女の子を集団レイプした』というではないか。おいおい。
それで女がどうしたかって、裁判を起こしたらしい。そんでいろいろトラブルになってんだよね・・・と。

当たり前である。

さすがスクワッタの住人である。周囲にレイプした奴なんて、日本ではまずお目にかかれないけども、フィリピンではこのように身の回りにいるんだから。

詳細はこうだ。男が六人で女の子をレイプした。女はなんと!警察に訴えた。
そこで警察は仕事をした!(おおっ!)そんで六人はあっさり事情を聞かれた。おんなの訴えはこうだ。金払え。
六人のうち二人は金を払って終わったが、四人は払えない。ということらしい。

まあ、ほとんど路上にいる奴が、5000Pもの大金をもっているわけがない。フィリピンは、こういう場合、けっこうウヤムヤになるので、逃げ得になるらしいのだ。当時はそんなバカなと思っていたが、いま思えば納得である。

そしてまたしばらくしたら、なんとスネオが酒をのんでいるではないか!
そこで当然質問攻めをしたところ、まあまあ・・・・これがフィリピンクオリティである。
いわく知り合いの警察がどうのこうの。証拠がないどうのうこうの。
「留置所に入っている・・・ことになっている」ということだ。
いったんは捕まったけども、刑務所がいっぱいで順番待ちということで釈放されたと。

その後、風のウワサできいたところによると、スネオは結局逮捕され、今は刑務所にいるという。
懲役二年ということらしい。軽いか重いかは別として、少なくても罰は受けたわけだから、フィリピン警察もまったく動かなかったわけじゃあないんだろう。

—あれから三年以上たつ。スネオは、まだスクワットには戻ってきていない。

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